大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和40(あ)2719 判決

主 文

原判決中判示第二の罪に関する部分を破棄する。

被告人のその余の上告は、これを棄却する。

当審における未決勾留日数中一〇〇日を本刑に算入する。

理 由

仙台高等検察庁検事長Aの上告趣意および弁護人津田晋介の上告趣意第一、第二

点について。

記録によると、山形地方裁判所鶴岡支部は、昭和四〇年四月九日被告人Bに対し、

判示第一(一)として傷害(起訴状の罪名は殺人未遂)、同(二)として銃砲刀剣

類等所持取締法違反および同第二として同取締法違反の各罪につき有罪を認め、な

お、右第二の罪は判示確定裁判を経た罪と刑法四五条後段の併合罪の関係にあるも

のとして、判示第一の罪につき懲役三年六月に、同第二の罪につき懲役六月に処す

る(判示第一の犯行の組成および供用物件である日本刀を没収する)旨の判決を言

い渡したこと、この第一審判決に対しては、同年四月二〇日検察官から、右判決中

判示第一の罪に関する部分を限つて控訴の申立がなされたが、被告人からは右判決

に対して控訴の申立がなされないまま、その申立期間を経過したことが認められる。

したがつて、第一審判決中判示第二の罪に関する部分は、同月二四日確定し(既に

その刑の執行も終了していることが認められる。)、控訴審には、第一審判決にか

かる事件中判示第一の各罪に関する部分のみが係属していたものというべきである。

しかるに、原審は、右第一審判決にかかる事件の全部について審判し、前記判示第

二の罪についても第一審判決を破棄し、被告人を懲役六月に処する旨の判決をして

いる。右のような経過によれば、原審は、係属していない事件の審判をした違法が

あること所論のとおりであり、この違法は判決に影響があり、原判決中右の判示第

二の罪に関する部分は、これを破棄しなければ著しく正義に反するものといわなけ

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ればならない。したがつて、原判決中右部分は検察官の判例違反、弁護人の違憲の

各論旨につき判断を加えるまでもなく、刑訴法四一一条一号により破棄を免れない。

なお、原判決中その余の部分に対する被告人の上告は、上告趣意として何らの主

張がなく、したがつてその理由がないことに帰する。

よつて、原判決中判示第二の罪に関する部分につき刑訴法四一一条一号、その余

の点につき同四一四条、三九六条に従い、なお刑法二一条により、裁判官全員一致

の意見で、主文のとおり判決する。

検察官 横井大三公判出席

昭和四一年六月一四日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 五 鬼 上 堅 磐

裁判官 横 田 正 俊

裁判官 柏 原 語 六

裁判官 田 中 二 郎

裁判官 下 村 三 郎

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